鬼ごろし

これまた小学生の時の話。

五年生の時修学旅行に奈良、京都に行った。
平安神宮・二条城・銀閣・金閣、そして奈良は春日大社・東大寺・法隆寺・・・。
画像

汽車(まだ蒸気機関車だった)の車内でふざけている写真。
鴨川の河原の真ん中で何か取ってもろ手を上げている写真。
二条城の前、集合写真の一番前でなぜか首振りのサルの土産をこれぞとばかりに振り上げている写真。
なんとも目立ちたがりのお調子者の子供であった。

旅行のあと、地元の新聞社が旅行の感想取材に学校にやってきた。

教壇に立ち記者が、「京都・奈良の旅行は楽しかったですか?」
みな一斉に「はーーい!」
「では、京都ではどこが一番良かったですか?手を上げて教えてください!」
「はい!」、「ハイ!」、「ファイ!」・・・とそこ、ここで手が挙がる。
私も負けじと。
「はい、じゃあ、そこの君!」と私がご指名。
思いっきり、はっきりと、大きな声で・・・「法隆寺ッ!!」
一瞬の静寂の後、教室内は大爆笑に包まれた。

その後しばらくは、学校行くのが辛かった。(ほんのしばらくであったが。)

人には他意もなく思い込みというものがある。
この場合、正直には間違ったのではなく、私の頭の中で『法隆寺』は『京都』にあったと思い込んでいたのである。

少し前(と言ってももう数年前だが)、親しくしていた同僚数人と酒を酌み交わしていた時、話題が京都のことに及び
京都の庭園の如何に情趣があるかということとなり、あの空気感と静寂そして山水画を思わせる佇まい・・・。

私    「何か大事なものを忘れてるよね。」
同僚A  「何?」
私    「あの、京都の庭園によくある独特な音」
同僚B  「ああ、あの竹の筒とかに水が溜まってこぼれた拍子に音の出る。」
私    「そう、それ。あれなんていうんだっけ?」
同僚A  「エッ知らないの? だめねえ。あれって、『鬼ごろし』って言うのよ!」

(『獅子おどし』が『鬼ごろし』に脳の中で変異すること、分からなくもないが・・・。)

しばらく座は腹の皮がよじれる程爆笑に包まれた。
因みに、同僚Aは無類の酒好きではあったが。

思い込みというのは恐ろしい。

その同僚Aも今はもういない。(死んだわけではない。)
良き思い出である。




ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント